青春小説(予定)の断片    ※最後の模擬授業

“Then let us begin.” 川崎先生が、いよいよ授業の本論に入った。

「バタッ」、「ギー」と椅子を引く音がして、そのあとドタドタと走る音が聞こえた。振り向くと、今年から英語教職課程を取り始めたばかりの、田中と言う二年生が「脱走」するところだった。「お・・ぃと言いかけた『ぃ』を飲み込んで、”Wait!” と川崎先生が呼びかけたが、田中はそのまま走って出て行った。

非常に残念な様子で、川崎先生は授業を再開した。

 

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