青春小説(予定)の断片

教壇の川崎先生は、金ボタンの紺ブレザーに淡いブルーのオックスフォード地ボタンダウンシャツ、タイは紺にシルバーのストライプ、足元は、前からだと黒のローファーに見えるが、でも実はサンダル、と言ういつものスタイルで、一呼吸して話し始めた。

「えー皆さん、本日から、この授業では、日本語を一切使えないことになりました。」

「えっ」「あ~」など、驚きともため息ともつかない声で教室内が少しざわついた後、今度は全くの静寂が訪れた。

川崎先生が続けた。「今から、今後の『英語コミュニケーション論』の進め方について説明します。しかし、それが終了した以降は、教室内は全部英語です。私の講義も、そして皆さんから私への質問など、すべてです。日本語は一切禁止です。」

 

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