青春小説(予定)の断片    ※最後の模擬授業

英語授業の初回と言うことで、まずは川崎先生の自己紹介から始まった。

“My name is Tadahisa Kawasaki. I am 35 years old. I am in charge of the teacher training course. I majored in teaching method of English as a second language.”  

“Then, I want all of you to introduce yourself in turn, of course in English ・・・ Mr.Aoi, please”

一番前の席に座って、いつも熱心に授業を聞いている、法学部4年の青井先輩に当たった。「えっ、俺か?」後ろ姿だが、青井さんの背中はそう言っていた。・・・ABCでも、あかさたなでも、結局青井さんが、いつも一番になるのだが。

 

Hi, my name is Takashi Aoi. I am law 4 year but I want English teacher, really really. I am lucky I can study here.”

アメリカ人講師の「英会話」クラスで見るいつもの青井さんとは全く違った。緊張が他の皆にもはっきり分かる、ヘロヘロ状態だった。いつもの青井さんは、発音はカタカナ英語だが、ネイティブを前にしても、もっと堂々としている。 ところが今回は、相手が日本人の先生なのに、本当にヘロヘロと言う感じだった。ほんの短い文章の中に、自分たちでも容易にわかる間違いが沢山あった。

 

Thank you very much Mr.AoiI give you just one proverb now.

“Practice makes perfect.”  Then, let us start our lesson slowly and firmly.

練習しているうちに慣れる。まずは始めよう、川崎先生のコメントを、自分はそう理解した。

 

Next,Ms. Ishikawa Please. 履修登録の最初には、倍くらいあったはずだが、現在の時点で出席しているのは 10人程度になっていた。そしてこのクラスでは、女子は4人

だった。マドンナ役が似合いそうな、自分と同学年の石川厚子が次だった。