青春小説(予定)の断片 ※最後の模擬授業
川崎先生の話の要旨はこうだ。
・国際化時代と言われて久しい。しかし、学校での英語の授業は、相変わらず
読み書き文法中心である。もちろんそれらの重要性は否定されるものでは
ない。
・「英語」に限らず、「ことば」は、人と人との間のコミュニケーションに
用いられるものであり、読む・書く・聞く・話す、どの形であっても、重要
である。
しかし、即効性があり実用的なのは、聞く・話す、であろう。外国人を目の前にして、健常であるのに自らの耳で聞き口で話さず、筆談するのか?
・「英会話」と言うネイティブによる授業があるが、残念ながら、受講者の
レベルや、どこが理解できていないか、などと言う点を充分考慮して、授業を
進めていくことのできるネイティブ講師は非常に限られている。
・母国語を日本語とする講師であれば、自身の英語習得過程での経験を
生かして、受講者の弱点を勘案しながら教えることができる。
・ただ、特に発音に関しては、一定の年齢以上になってから習得した場合、ネイティブ同様にはいかない。音声に関しては、十代前半までに母国語の影響を大きく受けるからである。
・しかし世界では、ノンネイティブ間のコミュニケーション用言語として広く英語が使われており、日本語訛りの英語であっても、外国人との実際的なコミュニケーションが取れるレベルなら十分に有益であろう。
・そのための第一弾として、「教員」という志を持つ君たちを手始めに、全編
英語の授業を行う。「英語をしゃべれない英語教師」から、一定の英語コミュ
ニケーション力を身に着けた教師を目指してもらう。